舟楽の歩み

舟楽について

加賀百万石の藩政時代の昔より
時が育んだご馳走です。

加賀百万石の藩政時代の昔より、庶民の台所として加賀の料理文化を支えてきたのが金沢・近江町市場です。この金沢近江町市場の地を離れず、魚一筋の血筋を受け継ぎ手押し棒鮨の「舟楽」は「旨い魚の鮨」にこだわっています。

かつて江戸の後期、私どもはこの地にて「周楽」という料理茶屋を営んでおりました。
地物の食材であふれる近江町市場にて、美味を追求した先代の意志をしっかりと受継ぐべく平成の初めに再興したのが手押し棒鮨の「舟楽」です。
食は文化の基本であり、食材の基本は「魚」です。
その美味しい魚で、美味しいお鮨を作りたい、食べていただきたい…
という先祖代々から脈々と受継がれてきた理念があります。

その理念のもと、お客様一人一人のこころになって私どもは手間ひまを惜しまず、魚を選び、仕込み、そして一本一本に真心を込めてその思いを押しています。
これまでも、そしてこれからも、手押し棒鮨の「舟楽」に末永いお付き合いの程よろしくお願い申し上げます。

店主敬白

沿革

江戸後期
近江町にて料理茶屋「周楽」を営業
昭和28年
株式会社 紙安商店に改組
昭和41年
ヤマカ水産株式会社設立
平成2年
ヤマカ水産株式会社を母体として株式会社舟楽 設立
平成3年
石川県観光物産館店 開設
平成13年
小松空港ターミナルビル売店 開設
平成21年
近江町いちば館店 開設
平成26年
JR金沢駅百番街「あんと」店 開設

安政6年、金沢の商店案内「千鳥杖」に
舟楽の前身である料理茶屋「周楽軒」の名が登場します。

これは、安政6年の「千鳥杖」と題する町人見立て番付の刷り物であり、三つの番付共通の人気職種のうち、菓子商38軒の主な菓子名、
また41軒の酒造商の代表銘柄、24軒の薬種商の主要薬名、16軒の有名料理所、11軒の有名薬湯などを掲載し、
金沢の商店案内としている、きわめて貴重な史料です。
料理所16軒は、文化2年、16人の料理屋に株立てを認めているが、料理商売の株立ては寛政年中に始まり、16軒の株数を定めた仕法が
立てられ、以後1軒当たり銀2枚(86匁)、全体では銀32枚を運上役銀(散小物成)として負担し営業独占を公認されました。
安政6年の千鳥杖は、従来の株立数と同じ16軒の料理屋を紹介しています。
天保10年と安政6年を比べると12軒(☆印)がそのまま継続しており、舟楽の前身である「紙屋源助」・「紙屋周楽軒(上近江町)」
もそのうちの一つです。商売繁盛見立の料理商10軒は、株立16軒の中から人気の繁盛店を10店選び東西にランキングしたものであり、
時代の変化に機敏に対応した番付といえます。*参考資料 『市史かなざわ』第9号(平成15年刊) 「ランク付けされる金沢商人 −商人見立番付の可能性−」 木越隆三著

『紙屋周楽軒(上近江町)』は、商売繁盛見立では東方1番、元治2年宝の入船では西方2段目の13番目、
明治初年東西繁盛鏡では東方3段目の20番目にランキングされていた。

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